透析室について

透析室

ツカザキ記念病院では、透析室についても詳しく書かれていました。

地域の透析患者にとっては、まさに頼みのツナでした。

透析室について

透析室は、慢性腎臓病や急性腎不全などの腎機能障害を持つ患者様に対して、血液透析治療を提供する医療施設の一部です。この治療は、患者様の血液を体外に取り出し、余分な水分や老廃物を除去し、電解質バランスを調整することを目的としています。

人工透析室

2013年4月に透析室をリニューアルし、現在はベッド数25床で運営しておりました。ツカザキ記念病院は、回復期リハビリ病棟、包括ケア病棟、一般病棟からなる施設でございました。通院維持透析は元より、入院維持透析にも力を入れておりました。また、透析患者様の一番の悩みであるシャントトラブルに対しても、外科的治療やシャントPTA(血管拡張術)を施行し、緊急対応も行っておりました。患者様に生き生きと気兼ねなく、素敵な透析時間を送っていただけるように、心温まるケアを行い、安心していただける環境づくりを目指しておりました。患者様とのコミュニケーションを大切にし、明るく和やかな雰囲気作りに努めておりました。

腎臓内科を中心に、慢性腎臓病(CKD-MD)から慢性腎不全(CRF)に至る保存期腎疾患の治療・管理をはじめ、透析導入から維持透析に至るまで、きめ細かい治療や患者教育・指導を行っておりました。血液透析に必要な内シャントをはじめとするvascular accessの作成(年間約100例)やその合併症への対策は、透析外科との合同チームで行われ、カテーテルによる血栓摘除や血管拡張(PTA)、ステント留置などは年間450例に達しておりました。その他透析アミロイドーシスに対する手術や、肢趾切断を回避すべく糖尿病の管理やフットケア、さらには血管外科的処置も積極的に行われ、透析患者様のQOL向上に努めておりました。なお、当施設は日本透析医学会の認定施設として承認されていたことを申し添えます。

ベッド数 25床
設  備 有線放送、全ベッド液晶テレビ、個人ロッカー
治療内容 血液透析、血液透析濾過(一部 オンラインHDF)、シャント手術、シャントPTA(経皮的血管形成術)

※管理栄養士による栄養指導をベッドサイドにて実施しておりました

腎臓の主な働き
腎臓は体内の重要な器官で、多くの重要な機能を持っています。その主な働きは以下の通りです:老廃物の除去と尿の生成:腎臓は血液をろ過し、尿として体外に不要な物質や老廃物(例えば尿素やクレアチニン)を排出します。これにより、体内の化学物質のバランスを保ちます。電解質のバランスの維持:ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質は、神経伝達、筋肉の収縮、心臓機能などに重要です。腎臓はこれらの電解質の濃度を調整し、体内のバランスを維持します。水分量の調節:腎臓は体内の水分量を調節し、血液の量や圧力を一定に保ちます。これにより、脱水状態や水過剰を防ぎます。血圧の調節:腎臓はレニンというホルモンを分泌し、アンジオテンシンとアルドステロンの生成を促進します。これらは血管の収縮を促し、血圧を調節する役割を果たします。酸塩基平衡の維持:腎臓は体内のpHバランスを調節することで、酸性やアルカリ性が過度になることを防ぎます。赤血球の生成の調節:腎臓はエリスロポエチン(EPO)というホルモンを分泌します。これは骨髄に作用し、赤血球の生成を刺激します。

骨の健康の維持:腎臓はビタミンDを活性化させる役割を担っており、これによりカルシウムとリンの吸収を促進し、骨の健康を維持します。

これらの機能を通じて、腎臓は体内環境の安定を保ち、健康維持に欠かせない役割を果たしています。

腎臓が悪くなると


・体の中に老廃物が溜まってきて尿量に異常がみられ、むくみ、高血圧などがあらわれます
・電解質の調節ができなくなり、血液が酸性に傾きます
・赤血球が作られなくなり貧血症状が現れます(腎性貧血)
・慢性腎臓病が軽度な時期には、食事療法や薬物療法を行いますが、さらに進行し末期に至ると、血液透析あるいは腎臓移植が必要となります。

血液透析とは
血液透析は、腎臓の機能が不十分な場合に用いられる治療方法で、主に慢性腎不全や急性腎不全の患者に適用されます。この治療では、患者の血液を体外に導き、人工腎臓(透析器)を通して浄化し、再び体内に戻すプロセスを行います。血液透析の主な目的は、腎臓の主要な機能の一部を代行することです。血液透析は、一般的には週に数回、数時間にわたって行われます。透析中は、患者は透析マシンに接続されたまま、椅子やベッドで休むことになります。血液透析は腎臓の機能を完全には置き換えられませんが、腎不全の進行を遅らせ、患者の生活の質を向上させるために重要な役割を果たします。また、透析治療は適切な食事療法や薬物療法と組み合わせて行われることが一般的です。

人工透析に必要な血液(一分間に150ml~300ml)を体外に抜き出すために
・内シャント(自己血管)
バスキュラーアクセスでは最も一般的な方法です。「シャント」とは、「短絡させる」と言う意味で動脈と静脈をつなぎ合わせて直接動脈の血を静脈に流れるようにしたものです。・内シャント(人工血管)
シャントに適した静脈がない場合、人工血管を腕に入れます。人工血管の種類はe-PTFEとポリウレタンの二種類があります。


・一時的留置カテーテル


・動脈表在化
二腕の深いところにある動脈を皮膚のすぐ下に持ち上げます。
透析には二本の針を刺さなければいけませんが、もう一本は静脈に刺します。

シャントトラブルの対応
・シャント再手術(外科的手術)


旧シャントより中枢(肘寄り)の血管を利用し内シャントを作製いたします。
自己血管が無いときは、人工血管にて内シャントを作製いたします。

・シャントPTA(経皮的血管形成術)


維持透析の長期化や透析患者の増加により、透析シャントのトラブルに遭遇することは多く、このシャントトラブルは、透析効率の低下から生命予後に影響を与える重要な合併症です。できるだけ現存のシャントを温存し、透析効率を維持することが透析患者の長期予後とって必要です。一昔前ではシャントトラブルに対し、外科的再手術を行うのが普通でしたが、最近では、シャントPTA(経皮的血管形成術)の普及により外科的手術をせずにシャントを温存できるようになりました。

臨床工学科
臨床工学技士は医療機器の専門医療職です。医師・看護師や各医療従事者とチームを組んで生命維持装置の操作や医療機器の保守点検を行っております。緊急呼出しに対しては、24時間オンコール体制で24時間365日対応しておりました。
ツカザキ記念病院の臨床工学技士の主な業務
・人工透析室業務


透析室で行われる慢性維持透析療法だけでなく、持続血液透析濾過、血漿交換、血液吸着等の血液浄化療法にも対応可能です。
透析に使用する透析液の水質管理も行っております。
・手術室


内シャント手術の介助を行っております。手術で使用する医療機器の保守・点検も行っております。

・血管造影室


経皮的血管形成術(シャントPTA)の介助を行っております。当院患者は勿論、他院からの紹介にも対応しております。

・内視鏡室


医師の介助業務を行っております。
各種デバイスの操作も医師の指示のもと行っております。

・医療機器の保守、点検室


医療機器はME機器管理ソフトにて中央管理を行っております。
ME室貸出し機器以外に、各病棟に固定化された機器に対しても保守点検を実施しております

・人工呼吸器業務


侵襲的陽圧呼吸(IPPV)と、非侵襲的陽圧呼吸(NPPV)の機器により急性期から慢性期まで対応しております。

・病棟ラウンド


医療機器を患者様が安心して使用できるように、日常点検をおこなっております。